ドラクエ7のコネタです。
設定はPS版を前提にしています。
セリフ集(管理人はここと同じ)を合わせて読むと面白くなるかも知れません。
1-1 英雄の話
英雄メルビン。
最強の英雄として神に封印され、復活の時を待っていた人です。
ところが、本編での評価は散々です。
どのキャラからも、よわそうなじいさん扱いされます。
(立派だと褒めてくれるのはマーレだけ)
実際、それほど強いわけではありません。
パーティの強さによってはお荷物にもなりかねないステータスです。
そんなメルビンですが、なぜ神はこの人に希望を託したのでしょう?
メルビンの特徴を列挙してみましょう。
・年齢を重ねており、思慮深い
・立場を驕らず、謙虚
・度量が広い
・正義感が強い
・誰よりも人のことを思いやる
・茶目っ気がある
・祭りや催しを大いに楽しむ陽気さ
これはドラクエ7に於ける神の特徴でもあります。
つまり、メルビンは神に最も近い男なのです。
神は自身に最も近い存在であるメルビンを信頼し、世界の未来を託したと言うことです。
ちなみに、リメイクではメルビンの弱さについて理由がつけられているそうです。
最強の能力を持ち、神に最も近い人物像であるメルビン。まさに伝説の英雄です。
また、メルビンのかつての役職(肩書?)について。
作中では終始「英雄」と呼ばれており、本人も登場時に「英雄と呼ばれた」と言っています。
国語の教師かオメーは と言う話ですが、英雄には定義があります。
何らかの功績を上げ、人々に敬意と賞賛を籠めて称されます。
英雄と呼ばれる以前のメルビンは、どのような役職であったのか。
現代にメルビンが「神の兵士長」と呼ぶ老人が登場します。
兵士長は「英雄メルビンどの」と呼び、互いに敬意を払う関係性です。
その後、クリスタルパレスにてメルビンは「聖戦士長」なる肩書で呼ばれています。
パレスは魔王の偽りに満ちた場所ですが、メルビンはその肩書を(恐らく)違和感なく受け入れているようです。
(まあメルビンは人が良いので、新しく作ったと言われればすんなり受け入れましょうが……)
以上のことから、かつてのメルビンは「神の兵」もしくは「聖戦士」という立場だったのでしょう。
なお、リメイクの追加エピソードは未プレイです。
間違ってたらすみません。
1-2 魔王の話
魔王オルゴ・デミーラは、シリーズの中でもかなり世界征服に近づいた魔王です。
エスタード以外の世界を全て闇に落とし、掌握することを達成しました。
エスタードが闇に落とされなかったのは、単純に「無人島だったから」という理由(実際はコスタールの人が移住していたが)なので、ほぼ世界征服を果たしたと言ってもよいでしょう。
また、オルゴ・デミーラは聖なる力に耐性があると考えられます。
クリスタルパレスにて、「神が清めた水」として、シスターからせいすいを貰うことが出来ます。
この「神」というのは、オルゴ・デミーラが人々を欺いている偽の神です。
偽物の神に祝福された水だと言うのに、このせいすいは本物として利用可能です。
つまり、魔王は聖職者に準ずる能力があると言うことです。
オルゴ・デミーラは神の軍勢に勝利してます。
聖なる力に耐性があるのだとしたら、神が敗北したのも不思議ではありませんね。
1-3 神父の話
レブレサックの神父様。
彼は姿を魔物に変えられてしまい、村人に迫害され続けます。
全てが明らかになった後も、「自分がこの村にいると村人がつらい思いをする」として、レブレサックの村を出て行きます。
そして辿り付いたのがプロビナです。
そこでも魔物の襲撃に遭い、命を奪われました。
不幸の多いドラクエ7でも際立って不幸なキャラです。
実はこの神父様、三度も魔物に襲われています。
一度目はレブレサック。
三度目はプロビナ。
ならば二度目はどこだ? と言う話になりますが……
神父様は、プロビナで村が襲われたことをきっかけに記憶を取り戻します。
この取り戻した記憶は、本人のセリフによると
「けむり… 魔物が村を…
この様子 前にも どこかで……。」
と言う事で、自分の村が魔物に襲われた事を思い出すのです。
この記憶はレブレサックではありません。
なぜなら、レブレサックは直接魔物に襲われていないからです。神父様は「煙」を手掛かりにしていますが、レブレサックに火事は起こりません。
(神父は火あぶりにされかけているが、村人はまだ火を点けていなかった)
つまり、その記憶は別の村で起こった出来事 ということになります。
更に言うと、ドラクエ7本編で火事が起こった村はプロビナのみです。
ですので、本編以外でも魔物に襲われて滅んだ村が存在するという事になります。
時系列としては レブレサック→謎の村→プロビナ となります。
この謎の村は何なのか。謎です。
(メタ的に言えば、単にレブレサックの設定が食い違ってしまっただけなんですがね)
ちなみにプロビナでは、竜騎兵に魂を抜かれた村人達が蘇るイベントがあります。
しかし実は、一人だけ生き返らない人がいます。シスターです。
初期のプロビナ教会では二人のシスターが存在しますが、教会崩落後、シスターは一人になっています。
生き残るのは冒険の書を持っているほうなので、会話できる方のシスター(神父のことを話す)は行方不明と言うことになります。
神父と共に殺害された と考えるのが順当でしょう。
1-4 ダーマの話
ダーマにて、カシムとネリスというキャラが登場します。
ちょっとキザですが真摯で短足のカシムと、病弱で薄幸の美人であるネリスです。
彼らはフーラルやザジがダーマ神殿を去った後、二人でダーマに残ります。
その後のことは描写されませんが、互いに憎からず思っているようなので、普通に考えれば結婚した ということになるのかも知れません。
しかし、現代ダーマにそれらしき子孫は存在しません。
となると、やはりネリスは胸の病気で早世したのでしょう。
マリベルも「早死にしそうなタイプ」と言っています。
その上、カシムはその後のダーマで、ガボに「やつれた」と心配されています。
もしかしたら、カシムも心労で長生きできなかったのかも知れません。
ちなみに、フォズ大神官は神に仕える身ですので、恐らく結婚はできません。
ですので、子孫が登場しないのは当然のこととなります。
ちなみに、カシムが短足だと言う設定は、恐らくリメイクではカットされています。
ガボが彼を見るたび言及し、ついには本人に「なんでカシムは足がみじかいんだ?」と尋ね、本人も「……ほっといてくれ」と返す「はなす」用セリフです。
欠点だった短足がなくなったカシム。かっこよさに磨きがかかりました。
1-5 からくりの話
エリーとは、フォロッド城の善きからくり兵の名前です。
フォロッド城は過去・現代ともに非常にシナリオが長く(ダーマに次ぐ長さ)、戦時下の陰惨な空気も相俟って、かなり心に残るシナリオなのではないでしょうか。
からくり兵のエリーにはモデルがいます。
エリーとは、フォロッド城の姫様の姉上のことです。
ゼボットとは恋仲にありましたが、狩りに行った際の事故で帰らぬ人となりました。
死因は「乗馬中、ウサギにおどろいた馬から振り落とされて死亡」ということのようです。
彼女の死後、ゼボットは同伴していたトラッド兵士長(兄)を恨み、自分一人を残して去ったエリーを恨み、岬の小屋に籠るようになりました。
ゼボットは「自分を決しておいていかない、ずっとそばにいてくれる」ものとして永遠の命を望み、からくり兵を作りました。
機械のエリーは望み通り、一生ゼボットのそばにいましたが、ゼボットがいない世界を半永久的に生き続けることになります。
皮肉なものですね。
その後しばらくすると、エリーはゼボットのそばで機能を停止しています。
「エリーが ゼボットのそばに
まるで寄りそうようにして 倒れている。
どうやら もう 動かないようだ……。
しかし その表情は やすらかで
やさしく ほほ笑んでいるように見える。」
ということです。
少々不思議なところは、トラッド兵士長がエリーを呼び捨てにし、かなり親しげな口を聞いているところです。
トラッドは宮仕えの身なので、エリー姫は主人と言える存在です。実際、エリーの妹である姫に対しては丁寧な言葉遣いをしています。
ゼボットはエリーの婚約者なので、姉妹に気安く接しても不思議はないんですが。
ちなみに、フォーリッシュに出現する「からくり兵」はモンスター図鑑に載りません。
しかし、撃破回数のカウントはされているようで、999体倒すと×ボタンで戦闘をキャンセルすることができます。(ドラクエ7にはそういうシステムがある)
このからくり兵はかなり経験値が高く、鉄のオノ(売値2000G)を落とすので、レベル上げをする場合にオススメの敵です。
1-6 宿代の話
宿屋代について。
過去ハーメリアにて、宿代を半額サービスにしてくれるイベントがあります。
その時の金額は「3名で15ゴールド」。
普段の宿泊料は45ゴールドです。
……なんかおかしいぞ? どう計算しても、半額ではありません。
それだけのコネタです。
1-7 ブルジョアの話
ブルジオ氏を連れ回すと、いろいろなところでセリフが聞けます。
「うらみ つらみ ねたみ」と言う日記を書き、「ブルジオ一族は性格が悪い」と本にまで書かれるブルジオ氏ですが、フィッシュベルやグランエスタードの人々に対しては好意的なコメントをします。
世界一高い塔では、アルスを信用していることが窺える発言もあります。
マリベルの毒舌に慣れているプレイヤーにとっては、ブルジオ氏のわがままは物足りなく感じるかも知れません。
そんなマリベルですが、ブルジオ氏に会う前はなかなかの先入観を抱いています。
「ごつい指輪を いくつもハメてる
ぶくぶくに太ったオジサンよ。
それでもって 笑うと
あごの下の肉が タプタプ
ゆれるんだわ。う〜ヤダヤダ。」
……とのこと。
マリベルは神さま戦で「くそじじい」と口走るのもなかなか衝撃的です。
他にも、彼女は老人に対してけっこう辛辣です。
フォローを入れると、彼女はパパ大好きっ子で、おじいちゃんっ子でもあったそうです。
お金持ちで立派な網元であるパパが大好きなゆえに、アミット家以上の富豪にはヤキモチのような感情を抱くのかも知れません。
老人に関しても、うちのおじいちゃんが一番 なのでしょう。
彼女は主人公の気を引くために、他者と自分や主人公を比べることも多いです。
また、DQ7はライターが複数いるのため、石版によってはマリベルの性格をきつめに描くライターさんが担当している、という事情もあります。
ちなみに、ブルジオ氏の息子はフロ嫌いで、山賊がごとき不潔な容姿をしています。
本人曰く「汚い格好で世の人を欺けば、誘拐などの危険がなくなる」そうで。
あの世界は恐らく中世ヨーロッパモチーフですが、お風呂には毎日入るのが常識(マリベルのセリフより)のようです。
毎日入らないとマリベルに絶交されちゃいます。
……どうでもいいですが、リメイク版のマリベルは指輪をいくつもハメてます。
ごつくなければオッケーなんでしょうか。
1-8 小舟の話
冒険の序盤で手に入る船。
アミット家のものだった船を、キーファがこっそり拝借して修理したものです。
あれはどうなったかと言うと、恐らく海の藻屑と化しています。
クリスタルパレスに行った時、ホンダラも神の城にいます。
町の人々の話から推測すると、ホンダラはフィッシュベルに停泊していた船を盗み、神の城に向かったようです。
その盗んだ船と言うのが、フィッシュベル西の洞窟(リメイクでは場所変わってますが)にあったあの船だと思われます。
主人公達はすっかり使わなくなったので、ホンダラが見つけて拝借したのでしょう。
その後は謎ですが、世界が封印された時の影響で、難破してしまったのではないかと。
悪運の強いホンダラは、船が難破しても、無事どこかに流れ着いたのでしょう。
1-9 チカラの話
過去のダーマにて、主人公達が力を奪われるイベントがあります。
その後、祭壇のような場所で、失われた力を取り戻すことができます。
あの祭壇は無視することができます。
無視して闘技場に行くと、カシムに「キミたちはのんきだな」と言われ、力を取り戻すよう忠告されます。
それも更に無視することができます。
無視すると、呪文や特技が全く使えない状態で、闘技場の連戦およびアントリア戦をこなすことになります。
難しそうに見えますが、少しレベルを上げれば楽勝でクリアできます。
その場合、アントリア戦後のイベント後、いつのまにか元に戻っています。
能力奪われたままダーマを救うとは、流石のカシムもビックリでしょう。
1-10 時系列の話
ドラクエ7の時系列はかなり曖昧です。
・現代と過去の世界は百年〜数百年離れている
・過去コスタールよりも過去ユバールの方が後の時代である
(過去コスタールでベレッタが若い娘であるとの話が聞ける)
・過去の砂漠からは女王を三代経ている
(フェデルは二代目、ネフティスは六代目)
と言うことが断片的にしか分かりません。
おまけに、現代の時系列も謎があります。
天上の神殿にて
「神が復活してから数年経った」というセリフが聞けます。
しかし、聖風の谷では
「ふた月ほど前から族長の背中に羽が生えた」と聞けます。
このセリフは風の精霊イベント時のものです。
主人公が現代の聖風の谷を最初に訪れた時点で、族長セファーナは既に姿を隠しているので、少なくとも 聖風の谷クリア〜神復活後 までは二か月ということになります。
正しいのはどちらでしょう。
過去オルゴ・デミーラ討伐後のフィッシュベルで、「年に一度のアミット漁がなくなった」というセリフがあるので、少なくとも一年は経過しているようです。
二か月もしくは数年というのは、実はどちらも誤りで、本当は一年ほどの経過なのだと思われます。
その2に続きます。